【HIV・AIDS関連事件】世間を騒がせたAIDSの事件。VER 2.0

恐怖は誰にでもある感情で、時として犯罪を招くこともある。 過去に起きた事件が現代の僕たちに正しい道を学ばせてくれることを祈る。

HIV感染させたイギリスの美容院。

2015年4月にHIV陽性と診断されたスコットランド・エジンバラ出身の美容院デアリール・ロウさん(26歳)は、2015年10月～2016年2月までの約５ヶ月間の間にゲイSNSで知り合った男性8人に“コンドームに穴をあけるなど”意図的にHIV感染させた容疑で逮捕された。

保釈金を払い保釈のみとなったものの何度も逃亡を繰り返し、さらに別の男性２名も同じように意図的に感染させようとしたため終身刑が課せられた事件である。

故意にHIVを感染させようとして被害者に“身体的被害”をもたらしたこの事件はイギリス初のケースとして話題となった。

彼の目的とは？

自分がHIVに感染したと知りできるだけ多くの人を感染させてやると復讐心を抱いた彼は、ゲイのSNSを通じて無差別に行為に及ぶ。

終身刑となった経緯は？

1. “コンドームの使用拒否”・“コンドームに穴を開ける”など、HIV感染者と知りながら相手に意図的に感染させようとした。
2. 逮捕後も、保釈金で保釈されるが逃亡を繰り返す。
3. 最短12年の懲役刑が課せられたが、彼の復讐心は変わることがなかった。

逮捕された経緯は？

2016年2月5日、Sexual health clinic(性と健康のクリニック)に通っていた患者2名が似たような人物からHIVに感染させられたとスタッフが警察に通報。ダウリールを逮捕。

事情聴取でダウリールは自分がHIV陽性であることを否定し、2名の男性を知らないと嘘をつく。ダウリールは釈放。

2月23日、警察と衛生管理局が、「スコットランドなまりを持つ20代の男と性行為をした人は検査を受けるように。」と注意を促し、新たな被害者が明らかになった。

ダウリールは逃亡を繰り返した。

サセックス州からイギリス北東部ノーサンバーランドのベリック・アポン・ツイードに逃走していたダウリールを警察は再び事情聴取した。

その頃警察はダウリールのカルテを入手しており、「HIV陽性ではない。」というダウリールの供述が嘘であると判明。

保釈金を支払うことで11月まで保釈のみとなったが、ダウリールは再び逃走。

ダウリールはさらに2名の男性をターゲットにしており、そのうちの男性の自宅に隠れていたところを発見、逮捕した。

審判の時がきた。

12月、重大な身体的危害を与えた容疑で起訴されたダウリールの裁判はニューカッスル刑事法院からイースト・サセックス州のルイス刑事法院移された。

2017年2月、公判でダウリールは容疑を否認したがこの時さらなる被害者も判明しており、有罪判決が確定し最短12年の懲役刑がかせられた。

だがクリスティーン・ヘンソン判事は、「嫌悪に満ちた悪質な暴力だ。残酷で身勝手な行為により5人の被害者を不幸な結果に陥らせた。加害者がもう危害を加えないとは言い難いため、終身刑は妥当であると言える。」

ダウリールはこれまでHIVの治療を拒否し、医師のアドバイスも無視し続けていた。検察官が被害者からの声明文を読み上げた時も顔色一つ変えなかった。

追記・・・

僕もHIV感染者です。誰かとの性行為でうつりました。なら、誰かのせいで僕はこんな人生を送ることになったのでしょうか？

人は白黒をはっきりさせたがります。はっきりさせることで自己満足につながるからです。でもこの場合は違います。どちらが悪いとかではなくどちらも悪いんです。病気のことなど意識してセイファーセックスしてますか？

彼を肯定するわけではないですが、自分では受け止められない現実に直面したとき人のせいにしてしまうことがあります。孤独が彼を変えたのではないかと思います。もし何でも話せる良い人間関係があれば・・・

HIVに感染しても治療を続けていれば、体調の悪化や非感染者と同じようにセックスしても他者にうつることも気にする必要も無くなります。

だから一日でも早く自分を取り戻したいなら・・・早めの検査をお願いします。